ホンダにまつわる豆知識を紹介する当連載第4回は、カスタムバイク好きにはおなじみの"72ウィンカー"について解説いたします。ちなみに"72"とは、ホンダ250ccクラスのスポーツモデルの初期のヒット作、ドリームスーパースポーツCB72のことですよ!

誰が呼んだか"72ウィンカー"?

カスタムバイクを製作するとき、どんなウィンカーを選ぶのかって結構難しい問題ですよね。大きすぎるウィンカーは文字どおり大げさだし、かといって小さすぎるのは安全性に疑問符がつきます・・・。この稿でとりあげる"72ウィンカー"はサイズも小ぶりでデザインも良く、カスタムバイクを作るときの定番商品ともいえるでしょう。

画像: こちらは(株)キジマのCB72Pタイプウインカーランプ(プラボディー:2個SET)です。 www.tk-kijima.co.jp

こちらは(株)キジマのCB72Pタイプウインカーランプ(プラボディー:2個SET)です。

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ところで昔から多くのカスタムバイクで使われてきた"72ウィンカー"ですが、そもそもこの呼び名は、ホンダが1960年にデビューさせた、初の本格的量産250ccスポーツの傑作車、CB72のウィンカーという意味で与えられたものです。

空冷4ストローク並列2気筒OHC2バルブを搭載するCB72は、クラブマンレースなどのモータースポーツで活躍しました。あの「ヨシムラ」も、このCB72のチューニングでその名声を初めて全国に知らしめたことは、有名なエピソードです。

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ところで、この上のCB72の写真を見て何か気付きませんか? そうです、初期のCB72にはウィンカーは標準装備されていなかったのです。ではなんで、あのウィンカーに"72ウィンカー"という名前がつけられることになったのでしょうか・・・?

初期の"72"用ウィンカーはオプション設定でした

なんで公道車なのにウィンカーが付いてないの? と不思議に思う方もいらっしゃると思いますが、CB72が登場した1960年代初頭はまだウィンカーの装着が法的に必須ではなかったのです。それゆえにCB72のウィンカーは1964年まではオプション設定・・・だったのです。

画像: こちらが初期のCB72に用意されていた、純正オプションのウィンカーです。ボディ部はこのように黒塗りでした。©︎TMC

こちらが初期のCB72に用意されていた、純正オプションのウィンカーです。ボディ部はこのように黒塗りでした。©︎TMC

そして1965年からはCB72もウィンカーが標準装備となるのですが、これは元々CB93(部品番号の中番216)用のウィンカーとして造られたものでした。だから"72ウィンカー"と言うよりは、"93ウィンカー"と言ったほうが適当なのかもしれません。

画像: ホンダCB125(CB93)の純正ウィンカー。これが1965年からCB72にも標準で使われるようになります。

ホンダCB125(CB93)の純正ウィンカー。これが1965年からCB72にも標準で使われるようになります。

なお125ccスポーツモデルのCB93ですが、1960年代半ばからホンダは車名を排気量表記で統一するようになっていたので、正式な車名はCB125となります。より正確を期するなら、"CB125ウィンカー"と呼ぶのが妥当かも? まぁすでに"72ウィンカー"の呼び名が定着しているわけですから、これからも安心? して"72ウィンカー"と呼べばオッケーだと思います(笑)。

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