時代の進化とともに新たな魅力とパフォーマンスを持った4気筒モデルの開発が急務となったホンダ。CB750FOURが60年代初頭に世界GPで活躍したRCシリーズを手本にしたのと同様、その開発には70年代中盤の世界耐久レース選手権で連戦連勝を飾り、『無敵艦隊』とまで称されたワークスレーサーRCBのノウハウが活かされることになる。

DOHC化と流麗なスタイリングで人気を博した「エフ」

DOHC4バルブヘッドの4気筒という当時最先端のハイメカニズムエンジンを搭載した新しいCBは、まず78年秋にCB900Fとして輸出仕様が発表され、その美しいスタイリングで高い評価を獲得。国内向けには、同年12月に750ccにスケールダウンしたエンジンを、4本マフラーのベーシックスポーツスタイルに組み合わせたCB750Kを発売。そして、翌79年6月にCB900Fの国内仕様となるCB750F、通称「エフ」の発売が開始された。

流麗なスタイリングに包まれた美しい造形のDOHC4バルブ4気筒ユニットは、先にデビューしたKの65PSに対して、当時クラス最高の68 PSまでパワーアップされ、低中回転域における扱いやすさと高回転域のパンチを両立した。トリプルディスクブレーキやアルミコムスターホイール、圧側減衰2段階/伸側減衰3段階/スプリングイニシャル5段階の調整が可能なFVQダンパー採用のリアショック、ジュラルミン鍛造製のセパレートハンドルやステップ、伸びやかなデザインの4in2マフラーなど、充実した足まわり構成やディテールパーツのクオリティでも高い評価を獲得し、発売と同時に大ヒットを呼ぶ。

75年秋の免許制度改正によって大型自動二輪免許が登場し、容易には乗ることができなくなってしまったナナハンにもかかわらず、発売翌月に月間販売台数2位を記録したことからも、その人気の高さが伺える。そして、難関の限定解除試験がクリアできない中型免許ライダーからも羨望の眼差しを集めるマシンとなった。

画像: CB750K(1978) 78年モデルとして海外でリリースされたCB900FのDOHC4バルブ4気筒エンジンを、750㏄にスケールダウンして国内で最初に搭載したのがこのCB750K。ジェントルな外観に反してゼロヨン加速12.5秒という俊足ぶりを見せた。

CB750K(1978) 78年モデルとして海外でリリースされたCB900FのDOHC4バルブ4気筒エンジンを、750㏄にスケールダウンして国内で最初に搭載したのがこのCB750K。ジェントルな外観に反してゼロヨン加速12.5秒という俊足ぶりを見せた。

画像: CB900F(1978) 70年代後半に圧倒的な強さを見せたワークス耐久レーサーRCBのノウハウを受け継ぐDOHC4バルブ4気筒エンジンを、流麗なスタイルに包んだ第2世代の大排気量CB。レース用キットパーツも用意され欧米のレースで大活躍した。

CB900F(1978) 70年代後半に圧倒的な強さを見せたワークス耐久レーサーRCBのノウハウを受け継ぐDOHC4バルブ4気筒エンジンを、流麗なスタイルに包んだ第2世代の大排気量CB。レース用キットパーツも用意され欧米のレースで大活躍した。

画像: CB750F(1979) Kから遅れること半年、CB900Fの国内仕様が待望のデビュー。エンジンは当時国内最高の68PSをマークし、トリプルディスクやジュラルミン鍛造ハンドルなどを装備。大ヒットモデルとなった。

CB750F(1979) Kから遅れること半年、CB900Fの国内仕様が待望のデビュー。エンジンは当時国内最高の68PSをマークし、トリプルディスクやジュラルミン鍛造ハンドルなどを装備。大ヒットモデルとなった。

画像: CB750 Custom(1981) CB750Fをベースにしたアメリカンモデル。スタイリングはもちろんのこと、フットレストや左右のペダルなどにジュラルミン鍛造パーツを多用して質感を向上。ディチューンされたとはいえ、それでも68PSを発生するパワフルアメリカンだ。CB650をベースにしたCB650カスタムも80年に登場している。

CB750 Custom(1981) CB750Fをベースにしたアメリカンモデル。スタイリングはもちろんのこと、フットレストや左右のペダルなどにジュラルミン鍛造パーツを多用して質感を向上。ディチューンされたとはいえ、それでも68PSを発生するパワフルアメリカンだ。CB650をベースにしたCB650カスタムも80年に登場している。

「CB栄光の歴史」を1から振り返るならこちらから!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.