正直な話、ここまでスピードを出す気にならないバイクには久しぶりに乗った。高速道路は95km/h、一般道は50km/h。それで充分。それが気持ちいい。恐ろしいほどの「のんびり」感に、逆に驚くなんてことがあるなんて……

心が“無”の境地に

画像1: 心が“無”の境地に

ある意味、かなりスゴい。凄まじい。400ccクラスでアドベンチャースタイルの旅バイク「400X」に乗りました。

なんて言うか……ここまで心が平穏になるバイクは珍しい。

まったくスピードを出す気にならない。これは第3回で乗ったレブル500以上です。

画像2: 心が“無”の境地に

理由はこのエンジン。最高出力46馬力を9500回転で発生します。実は、けっこうパワーあるんですよ?

でもね、そこまでエンジン回転数を上げようと思いません。せいぜい5~6000回転くらいまでで満足しちゃう。

250ccクラスに比べると低~中速域のトルクが段違いだから回す必要がないってのもあります。久しぶりに400に乗ったけど、やっぱ力強いナァ……って感心しちゃいました。

画像3: 心が“無”の境地に

だから走っていると常にのんびり。ホントに4速で55km/hあたりでずっと走ってた(笑)

コーナーが迫ってきてもスロットルオフするだけ。ほとんどブレーキすらかけない走りかたです。

ギアチェンジもほとんどしません。これは250ccじゃ真似できない芸当ですね。さすが400だけはある!

画像4: 心が“無”の境地に

天気も良かったので、こういうのんびりした走りもいいねぇ~と雰囲気にどっぷり浸れました。

まさか、これが400Xの世界なのか?

動きがやたら軽い

ところでこの400X。姿形こそはアドベンチャーバイクなんですけれど……

画像1: 動きがやたら軽い

前後とも17インチのタイヤを履きます。アドベンチャーバイクは前輪19インチが多いですから、ロードスポーツみたいです。

ちなみにライディングポジションは……

画像1: ライダー身長/176cm

ライダー身長/176cm

上半身がまっすぐ立つような乗車姿勢になります。腕に余裕があってハンドルに無駄な力がかかりません。

ステップ位置はアドベンチャーバイクとしては若干後ろ気味。ネイキッドのスポーツバイクに近い感触でした。

この前後17インチタイヤと乗車姿勢のおかげで、ハンドリングがとにかく軽い。ヒラッヒラの動きをします。

画像2: 動きがやたら軽い

ところでこの日は、富士五湖あたりから朝霧高原を目指して走っていたんです。

こちらは西湖。タイヤは完全にオンロード用なんですが、スタイルがこうだと砂利の湖畔とかにも入り込みたくなってしまいます。

重量も194kgで大排気量アドベンチャーに比べたら断然軽い。無茶さえしなければ、普通に走れるもんです(笑)

画像2: ライダー身長/176cm

ライダー身長/176cm

あとは、足着き性が良いのもありがたいところ。疲れないし、砂利など未舗装路に踏み込んでも「足が着く!」っていう安心感がありますから。

ちなみに上の写真の西湖の湖畔はこちらです。

400Xは純粋なオンロード設計ですが……

わりと未舗装オフロードも走れそうだなと思いました。推奨しませんけどね(笑)

だって、こういうスタイルだとプチ冒険したくなるじゃないですか!?

ということで朝霧高原あたりでは、そこかしこに見かけるダートの脇道に入ってみます。

画像1: 400Xは純粋なオンロード設計ですが……

普通にオンロードバイクで、オフロードを走る気持ちでいけば、とりあえず問題なし。それどころか「けっこうイケるんじゃない?」的に感じていました。

400Xはホンダ的にロードスポーツとアドベンチャーの「クロスオーバー」という扱いで、オフロード用じゃないから無理は禁物ですけどね。

でも、やってみるもんです。

画像2: 400Xは純粋なオンロード設計ですが……

オフロード脇道の終点は行き止まり。でも見てよコレ!

北海道かよっ!?

後ろに富士山あるから北海道じゃないけど気分的にはそんな感じ。プチ冒険した甲斐あった!

ちなみにボクはオフロードは苦手なので軽く緊張した~(笑)

なんとなく富士山へ

画像1: なんとなく富士山へ

そして、あまりに富士山が綺麗だったので、ちょっと5合目あたりまで上がってみるか!? と思いつきます。

ずーっと50~60km/hで走っているおかげか、ぜんぜん疲れてないので、そんなことを考える体力的な余裕もありました。

「一般道走行で疲れない」ことにかけては、トータルでかなり高得点だな、400X。

しかし…徐々に天気が怪しく……

画像2: なんとなく富士山へ

富士山スカイラインで標高を上げていくと、完全に青空が消えました。雲に飲まれた感じ。

5合目からの夕日絶景を狙っていましたが、こりゃ無理かな……

画像3: なんとなく富士山へ

5合目に到着。ほとんど人もいないし、思いっきり真っ白(笑)

画像4: なんとなく富士山へ

何にも見えません……ま、こういうこともあるのがツーリングってもんですよ。

5号目の絶景は別の機会にとっておくとしましょう!

しかし!?

画像5: なんとなく富士山へ

サァ~っと風が抜けたかと思ったら、山頂方向だけが一気に青空に!

うおおおおっ!?

ほんと5分もありませんでしたが、なんか満足しました。ツーリングの神様に感謝です。

400Xのアドバンテージって?

画像1: 400Xのアドバンテージって?

乗っていて思うのは、やっぱり250ccとは比べ物にならない力強さ。距離を走った時の快適性が断然違いました。

パワーに余裕があるからギアチェンジ含め、走りをサボれるんですよ(笑)だから疲れない。

あと良かったのは動きの軽さです。これもコーナリングのためっていうより「気を使わず車体を扱うための軽快さ」っていう印象でした。

画像2: 400Xのアドバンテージって?

ところでシートはけっこう固めの座り心地。だけど1日くらいじゃお尻が痛くはなりませんでした。ウレタンの質が良いのか? これはけっこう謎ポイントです。

そしてマフラーのサウンドもかなり静か。音の主張は特にありませんけど、音で疲れることもありません。

画像3: 400Xのアドバンテージって?

確かにこれは、普通二輪免許で400cc以下なら最強のツーリングバイクかもしれませんね。

法定速度に不満を感じず、淡々と、でも飽きずに走り続けられる。

画像4: 400Xのアドバンテージって?

ちなみに高速道路も見事に100km/くらいで走りが落ち着きます。むしろ気づくと90~95km/hくらいになってることが多い。まさに法定速度の鬼です……

大きめのウインドスクリーンのおかげで疲れも少ない。でも、高速道路の走行中は若干ですが車体の下方向から風を巻き上げます。お腹まわりに風が当たる。

ここだけは次のモデルでちょっと改善希望です。他は良いんだけどなぁ……

画像5: 400Xのアドバンテージって?

LEDライトで顔もイケメンだし、車体も大きく堂々としてます。

でも走らせてみると、豊かさがあって動きが軽い。

けっこうガチでロングツーリングもいけそう。NC750Xていう兄貴分みたいなバイクがあるけど、一般道メインの旅ならそこまで大きな差はないかもしれません。

画像6: 400Xのアドバンテージって?

でも、ツーリングを心から愛する250ccライダーには一度乗ってみてほしいバイクだと感じました。

たぶん無条件に「もっと遠くまでいける」って感じるはず。

400ccていうのは日本独特の排気量だけど、これはこれで悪くない。

それに400Xには「法定速度で飽きずに走り続けられる」という他にはない武器があります。

なんかこう……旅の青空の下で、悟りが開ける感じがしますよ?

合掌!

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