日本ではお目にかかることができないけれど、北米のレースシーンで話題になっているニューマシンが「ACURA ARX-05」。圧倒的に革新的なスタイルに、思わず「ル・マン24時間レース参戦?」を期待したりして。

2018年、アメリカン・スポーツカーレースの頂点を「アキュラARX-05」で狙う

2018年の「IMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップ」、北米HondaのプレミアムブランドACURA(アキュラ)は最速の座を狙うためにニューマシン「ARX-05」を投入しました。アメリカンモータースポーツ界の名門中の名門、チーム・ペンスキーとタッグを組んで気合いたっぷり。これまでのLMP2(ル・マン プロトタイプ2)からDPi(デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル)へと、マシンカテゴリーを変更しています。

()付きが多くて恐縮ですが……その名のとおり前者はル・マン24時間レースを含むACO(フランス西部自動車クラブ)とFIA(国際自動車連盟)主催のWEC(FIA World Endurance Championship)にの規定に準拠。後者は北米(アメリカとカナダ)で開催されデイトナ24時間レースが開幕戦となるIMSA(国際モータースポーツ協会)主催の、ウェザーテック・スポーツカー選手権のトップカテゴリーのレギュレーションに対応しています。

ということでさっそく結論ですが、アキュラARX-05はル・マン24時間に参戦することはできません。果たしてどこがLMP2と違っているかと言うと……。

「ル・マン」用と「デイトナ」用。同じ24時間プロトでも自由度が違う

画像: 「ル・マン」用と「デイトナ」用。同じ24時間プロトでも自由度が違う

実はDPiマシンは、LMP2マシンのシャシーを使っています。2017年シーズンから認定シャシーは4つのメーカーから提供されていますが、ホンダARX-05はオレカというフランスのコンストラクター製。非常に人気のある「ブランド」です。

LMP2ではこのシャシーに、認定されたスタイルのボディパーツを架装しなければなりませんが、DPiでは自由なデザインでまとめ上げることが許されています。

画像: ACURA ARX-05の後ろについている2台がマツダのRT24-P。

ACURA ARX-05の後ろについている2台がマツダのRT24-P。

ただ野放図にどんな格好でもいいワケではなく「メーカーとしてのブランド性を認識させることができる」スタイルがお約束。同じクラスのライバルはキャデラックのほか日産、マツダが参戦していますが、とくにマツダのマシンは目元や口元に「マツダらしさ」を強く感じ取ることができます。

ちなみにARX-05の場合はアキュラブランドを訴求することが至上命題。ですから、他メーカーのマシンと比べてもかなりチャレンジングな印象があります。「やり過ぎ一歩手前な大胆不敵」感は、なかなかの迫力の持ち主です。

エンジンも含めて「自分らしさ」を徹底的にアピール

そしてもうひとつ、大きな違いがパワーユニット。LMP2は英国のエンジンコンストラクター、ギブソン社製のV8エンジンしか搭載できませんが、DPiは自社で作ったエンジンを搭載することができます。

ARX-05はホンダエンジンをベースにした3.5LのV6ツインターボを搭載。キャデラックは6.2LのV8で日産は3.8LのV6、マツダに至ってはわずか2Lの直4ターボとある意味、ルックス以上に各メーカーの「主義主張」が強くアピールされていると言えそうです。もちろん性能調整が入るので、必ずしも大排気量で多気筒が一方的に強い!というワケではありません。

カストロネベスとモントーヤが激走!参戦4戦目で初優勝

画像: カストロネベスとモントーヤが激走!参戦4戦目で初優勝

2018年シリーズから実戦投入されたARX-05は2台。6号車がファン・パブロモントーヤとデイン・キャメロン組。7号車がエリオ・カストロネベスとリッキー・テイラー組。インディ500の優勝やF1参戦経験もある実力派が揃っているおかげもあって、5月6日に決勝が開かれた第4戦「ミドオハイオ」では7号車が優勝、6号車も2位に入る「完全なる初勝利」を収めたのでした。

ル・マンには参戦できなくても日本メーカーが3つも出ているスポーツカーレースとは……モータースポーツマニアならずとも、一度はその激戦を現場で観てみたいものです。

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