初代理事長を本田技術研究所の研究員が務める「自動車用動力伝達技術研究組合」が発足しました。漢字がたくさん並んでいて少し堅苦しい印象ですが、日本のクルマの競争力を「人材活用」の面からも大きく変えていく可能性を、秘めています。

世界で勝つ競争力をつけるために、「垣根」を越えて力を結集

画像: 発表記者会見で、設立趣旨を説明する前田敏明理事長。続いての具体的な活動内容の紹介も、本田技術研究所の四輪R&Dセンター 主任研究員の白井智也氏(運営委員長を務める)が行いました。

発表記者会見で、設立趣旨を説明する前田敏明理事長。続いての具体的な活動内容の紹介も、本田技術研究所の四輪R&Dセンター 主任研究員の白井智也氏(運営委員長を務める)が行いました。

「TRAMI=トラミ」……未来からやって来た猫型ロボットの妹分を思わせるネーミングがつけられたこの組織は、正式名称を「Transmission Research Association for Mobility Innovation<自動車用動力伝達研究組合>」と言います。その初代理事長として経営責任者を務めるのは、本田技術研究所 四輪R&Dセンターの上席研究員 前田敏明氏です。

トラミは、日本の自動車メーカーとトランスミッションを作るサプライヤー、合わせて11の会社が作った一般財団法人です(タイトル部図版参照)。その目的は、さまざまな意味で今よりも優れたトランスミッションを作って、世界の自動車業界をリードすること。「オールジャパン」で世界に勝つために、競争ではなく協業する道筋がつけられました。

画像: トラミの役割は、研究のテーマづけやサポート、そしてその成果のデータベース化による活用など。

トラミの役割は、研究のテーマづけやサポート、そしてその成果のデータベース化による活用など。

トラミに与えられているのは、あくまでその入り口にある技術研究のリーディングとサポート。縁の下の力持ち的役割です。さらにそこから生まれた成果をデータベース化することで、効率的な活用へと結びつけていきます。

具体的なテーマとしては「金属摩擦と気液混相のコントロール技術を手に入れる」ことと、「気泡の影響を含んだ作動油特性をコントロールする」ことなどが現状、挙げられます。いきなり難しくなってしまいましたが、前者は走りの質を高めたり燃費を良くするための基礎研究であり、後者は静粛性の向上につながるさまざまな現象を解明する取り組み、と考えてもらえばわかりやすいでしょう。

こうした地道な研究を糧として、各メーカーやサプライヤーが独自の技術開発を加速させ、楽しくてお得で心地よいドライブが楽しめるトランスミッションが次々に生まれてくるかもしれません。

研究者とエンジニアの密な関係が、人材力までパワーアップ!

画像: 大学と企業の研究分野での連携はますます強化される予定。

大学と企業の研究分野での連携はますます強化される予定。

トラミの「オールジャパン」の取り組みは、企業だけでなく大学の研究室なども深く関わってくるところがさらに重要なポイント。「産学連携」というスタイルで企業と大学がより密接につながることは、優れた人材の発掘や育成の機会を増やすとともに、日本の技術力を実戦的に向上させるきっかけにもなり得ます。

画像: 研究者と現場のエンジニアとの垣根を取り払う効果も期待できそう。

研究者と現場のエンジニアとの垣根を取り払う効果も期待できそう。

実は同様の取り組みとして、2015年に「AICE=アイス<自動車用内燃機関技術研究組合>」がスタートし、さまざまな実績を上げています。トラミとともにこうした産学連携活動が多様化していくことは、勉強や研究に対する学生の「ヤル気スイッチ」を全開にしてくれるハズ。それこそが、新たな自動車の魅力を生み出す原動力となるのです。

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