ホンダにまつわる豆知識を紹介する当連載第12回目。ホンダといえば、バイクやクルマ、汎用エンジンや船外機、そしてヒコーキを製造販売している会社・・・というイメージですが、じつは歴史を紐解くとじつにユニークなものを販売したりしているのです・・・。

アクト・・・ってご存知ですか?(軽トラのアクティ、じゃありませんよ)

前回の連載で「ローラースルーGOGO」を取り上げた際にも触れましたが、ホンダの関連会社には「アクト」という名を冠した組織がありました。

(株)ACT-A(アクト・エー)、(株)ACT-L(アクト・エル)、(株)ACT-TRADING(アクト・トレーディング)の3社は、いずれも1972年に本田技研100%出資で作られた関連会社です。これらは、'70年代に入りますます多様化する市場のニーズに応えるために、今まで手がけてきた2輪・4輪・汎用エンジンなどの市場以外の商品を扱うために作られた会社でした。

牧場! もビジネスにしていたのです!

さらに1974年には、畜産機械設備の生産販売ならびに肉牛の肥育を目的に、新会社のアクト牧場(株)を設立。岩手県岩手郡岩手町大字一方井に140万㎡の牧場を作ったことは、当時大きな話題となりました。アクト牧場の敷地はモトクロスやエンデューロのコースとしても活用されたので、昔オフロードに熱中したことがある人のなかには、ご記憶の方も多いのではないでしょうか? 筆者も昔、ここで開催された24時間エンデューロに参加したりしてました・・・懐かしい(遠い目)。

これらアクト系は紆余曲折を経て統合の道をたどり、1988年にアクト・トレーディングがホンダトレーディングに名称を変え、現在の(株)ホンダトレーディングに至っております。同社はホンダグループ唯一のメーカー商社として、世界21ヶ国57ヵ所に拠点を構えるグローバル企業になっています。

世界初のステンレスボトルを発売!

アクト系が手がけた商品に面白いものは数多くあるのですが、大ヒットした「ローラースルーGOGO」のほか、特筆すべき商品といえば「世界初の高真空ステンレス製魔法びん」・・・でしょうか?

そもそも保温性能に優れる魔法瓶は1904年に発明された製品ですが、「ガラス製真空二重びん」という構造ゆえ、強い衝撃が加われば本体素材のガラスが割れてしまう・・・という欠点がありました。アクト・エルが1978年に販売した「アクト・ステンレスポット」は、軽量かつ、衝撃が加わっても割れない・・・という画期的な商品として、市場の注目を大いに集めました。

画像: 「割れない魔法びん」をキャッチフレーズに1978年に販売された、「アクト・ステンレスポット」。1979年にはGOOD DESIGN賞を受賞しています。 www.thermos.jp

「割れない魔法びん」をキャッチフレーズに1978年に販売された、「アクト・ステンレスポット」。1979年にはGOOD DESIGN賞を受賞しています。

www.thermos.jp

アクト・ステンレスポットを製造したのは、工業ガスメーカーの日本酸素です。同社が長年培ってきた高度な真空断熱技術や金属加工技術・溶接技術を活用して、難しいとされてきた高真空の金属製魔法びんを具現化したわけです。

当時6,900円と、ガラス製魔法びんに比べて非常に高価だった「アクト・ステンレスポット」ですが、バイク・クルマを作るホンダの販売網を使って流通させたこともあり、ツーリングやアウトドアに最適なポットとして、ステンレスボトルをユーザーたちに浸透させることに成功しました。

今ではすっかりステンレスボトルは私たちの身の回りにあふれた商品ですけど、その普及のきっかけにホンダが関わっていたって、ちょっとバイク&クルマファンとしては誇らしい気持ちになりますね!

This article is a sponsored article by
''.