スーパーGT GT500クラスのディフェンディングチャンピオンとなる#1(カーNo.1)のRAYBRIG NSX-GTを筆頭に2019年シーズンも順調なスタートを切ったように見えるホンダ陣営だが、その戦闘力はどうなっているのだろうか。(写真:井上雅行)

話すのはこの人:

画像: 大谷達也 電機メーカーの研究所で7年間エンジニアとして勤務した後、1990年、29歳でCAR GRAPHIC編集部に転職。以来、20年間にわたって同編集部に在籍する。同誌副編集長を務めた後、2010年にフリーランスに転身。現在、活動の中心は「Motor Magazine」誌を中心にハイパフォーマンスカーのインプレッション記事執筆も執筆。電気系エンジニアとしての経歴を生かし、環境技術やハイパフォーマンスカーなどに用いられる新技術にも通暁している。ただし、技術を専門用語の羅列として説明するのではなく、日常的に用いられる言葉に置き換えてわかりやすく解説するのが得意。英語で海外のエンジニアと直接インタビューできる数少ない日本人評論家のひとり。

大谷達也

電機メーカーの研究所で7年間エンジニアとして勤務した後、1990年、29歳でCAR GRAPHIC編集部に転職。以来、20年間にわたって同編集部に在籍する。同誌副編集長を務めた後、2010年にフリーランスに転身。現在、活動の中心は「Motor Magazine」誌を中心にハイパフォーマンスカーのインプレッション記事執筆も執筆。電気系エンジニアとしての経歴を生かし、環境技術やハイパフォーマンスカーなどに用いられる新技術にも通暁している。ただし、技術を専門用語の羅列として説明するのではなく、日常的に用いられる言葉に置き換えてわかりやすく解説するのが得意。英語で海外のエンジニアと直接インタビューできる数少ない日本人評論家のひとり。

今シーズンに向けたマシン開発とタイトル防衛の展望とは?

2018年は、#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が8年ぶりにGT500クラスのタイトルを勝ち取ったホンダ陣営。今シーズンに入ってからも開幕戦岡山国際サーキットで#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)が優勝したのに続き、第2戦富士スピードウェイではディフェンディングチャンピオンの#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が難しいコンディションのなか3位表彰台を獲得し、好調な滑り出しを切ったように見える。

画像: 今シーズンに向けたマシン開発とタイトル防衛の展望とは?

そこで今シーズンに向けたマシン開発とタイトル防衛の展望について、ホンダのSUPER GTプロジェクトを統括する佐伯昌浩LPLと車体開発担当の徃西友宏(おおにしともひろ)主任研究員に第2戦開催中の富士スピードウェイで話を聞くことにした。

まずは2019年モデルのNSX-GTについて徃西主任研究員に語ってもらった。

2019年モデルのNSX-GT

徃西主任研究員
「GT500クラスでは基本的に開発が凍結されていますが、エアロダイナミクスやサスペンションなどについては部分的に開発が認められています。そこで今シーズンに向けた開発を行ってきましたが、エアロダイナミクスは様々なタイプをトライしたものの、シーズンを通じて見たときの気象条件の変化やセットアップの安定性などを考慮して、結果的に2018年仕様とほぼ同じものを投入することにしました」

画像1: 2019年モデルのNSX-GT

徃西主任研究員によれば、空力開発が認められている領域が限られているなか、どんな条件でも一様に性能が向上するエアロダイナミクスを作り出すのは困難で、新たに開発したエアロダイナミクスではドライバーの好みやタイヤとのマッチングによっては扱いにくい特性になってしまう部分もあったという。このため、より安定したパフォーマンスが得られる昨年型をベースにしたものを投入したようだ。

いっぽうのサスペンションについては、NSXがもともと持っているコーナリング性能をさらに高める方向で開発。ブレーキングとコーナリングの両面で性能の伸びが期待できる仕様が完成したという。こちらは規則により、シーズン中であっても既存タイプと新型を入れ替えることが可能なため、コースやチームの考え方にあわせて既存型と新仕様が混在する形になったという。

画像2: 2019年モデルのNSX-GT

2019年仕様のエンジンについては佐伯LPLに説明してもらった。「昨年のエンジンは涼しい時期にいちばん高い性能が出るように開発し、これを用いて気温があまり高くならないシーズン前半戦と終盤戦にポイントを稼ぐ戦略を立てていましたが、この反動で猛暑になったタイ大会ではわずか数周の間にNSXがほぼ全車に抜かれる展開となりました。

この反省を踏まえて、今年は冬場のパフォーマンスをやや抑えるいっぽうで、温度が高いときでもそれなりの競争力が発揮できるエンジンを開発しました。開幕戦と今回の結果を見る限り、そういった狙いどおりのエンジンに仕上がったのではないかと判断しています」

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