いろいろ話題が豊富なホンダの新技術お披露目ワークショップ「Honda Meeting 2019」に参加。2020年までに市販化されそうな注目ネタを、ピックアップしてご紹介しましょう。

「なるはやで」……実現間近の「喜び」を見つけた!

画像: (株)本田技研工業 代表取締役社長 八郷隆弘氏に続いて、株式会社 本田技術研究所 代表取締役社長 三部敏宏氏が壇上へ。今回の「Meeting」のポイントを、かいつまんで紹介していただきました。

(株)本田技研工業 代表取締役社長 八郷隆弘氏に続いて、株式会社 本田技術研究所 代表取締役社長 三部敏宏氏が壇上へ。今回の「Meeting」のポイントを、かいつまんで紹介していただきました。

2018年6月に公表された「2030年ビジョン」では、「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」というステートメントを掲げたホンダ。果たしてどんな「喜び」を楽しませてくれるのか、気になるところです。

そこでここでは、開発陣いわく「なるはやで」実用化されることが予定されている、便利な最新デバイスや使える次世代パワートレーンのサービス展開などを、ご紹介していきましょう。

「OK!ホンダ!!」で謎のゆるキャラ登場。質問は曖昧でもレスは的確。

画像: ゆるキャラをお見せしたかったのですが、とある事情で画像はNG。ちなみに、ここに紹介した「知能化」はこれからの目標値的なもので、実際に市販化される段階でここまでユーザーとの相互理解が進んでいるかどうかは不明。

ゆるキャラをお見せしたかったのですが、とある事情で画像はNG。ちなみに、ここに紹介した「知能化」はこれからの目標値的なもので、実際に市販化される段階でここまでユーザーとの相互理解が進んでいるかどうかは不明。

まずは「コネクティビティ」の新たな展開を見据えた、次世代サービスのお話を。主役はワイドディスプレイを備えた、インフォテインメントデバイスです。起動の合言葉は「OK!ホンダ!!」。モニター上に超シンプルな輪郭と目玉らしきものを持った、ゆるキャラが登場しました。

「ホンダ・パーソナル・アシスタント」と名付けられたこのAIシステムの注目ポイントは、日常的に使う言葉や会話のテンポでも、しっかり理解して的確な答えを返してくれるということ。実際にクラウドを介してのデモンストレーションでしたが、かなり素早くしかも正確に「中華以外の近所のレストラン」を教えてくれました。

デザインチームが創造したというこのキャラクター、造作はとてシンプルですが、ボイスコマンドを聞いている姿など巧みに「動き」を表現してくれて、見ていてもなかなか楽しいものです。かなりぞんざいな質問内容でも朴訥に対応してくれる親切なキャラなので、付き合っているうちにいかにも愛着が湧いてきそうな印象でした。

近々、市販モデルにも搭載されるハズの機能ですが、このキャラはあくまでデモ用とのこと。でも個人的には「これでいいんじゃない?」と思っています。

以前、某ナビゲーションメーカーがまんま美少女キャラ(名前付き)でAI通しの濃厚なインフォテインメントシステムを提案してくれたことがあって、確かに軽く萌えました。けれど、この「プロト版」くらいシンプルな方があっさりしていて、長く付き合っても飽きが来ないような気がします。

社会問題化している「誤発進」を防止する後付けキットを、軽にも展開

画像: 世代や性別、国境まで飛び越えた「思わず出かけたくなる」を実現する。難しいからこそ、面白そう!

世代や性別、国境まで飛び越えた「思わず出かけたくなる」を実現する。難しいからこそ、面白そう!

「交通事故ゼロ社会の実現に向けて」と題して始まったプレゼン、中心テーマはやはり「Honda Sensing」のさらなる機能的進化と、ハンズオフまでしっかり視野に入れたストレスフリーの「高速道路自動運転」の実現に関するものでした。

画像: 本格的な自動運転普及のひとつの課題となりそうなのが、いわゆるコミュニケーション。周囲との協調がなければ、本当に安全な自動運転はおそらく実現できないでしょう。

本格的な自動運転普及のひとつの課題となりそうなのが、いわゆるコミュニケーション。周囲との協調がなければ、本当に安全な自動運転はおそらく実現できないでしょう。

とくに興味深かったのは「譲り合い」というファクターをプラスした、「協調」機能を持つ高度なAI制御の開発でしょうか。前を走っている自転車が、駐車車両を避けるために道路側にはみ出してくることまで予測して自動で危険を回避する制御や、車線変更時に自分の意思を明確にアピールする動きといった「より実践的でとっても現実的」な自動運転への取り組みは、1日も早い実用化を期待してしまいます。

それとは別に、即効性のある「事故ゼロ社会実現」のツールとして注目したいのが、ホンダ発の後付け「誤発進抑制システム」でしょう。こちらも「なるはや」の市販化を進めているとのことで、対象車は「売れ筋」と「軽自動車」になりそう。とくに高齢者に人気があるモデルから、早急に展開を始めるそうです。

バッテリーをシェアリングする、という新発想で電動バイクに萌える

画像: 見慣れたハズのPCXなのに、細部のアレンジで未来感が半端ではありません。1回の充電での走行可能距離は約40km、最高速度は60km/h以上と街乗りスクーターとしては十分な性能と言えるでしょう。最高出力5.7ps、最大トルクは18Nm。きっとスペック以上に、キビキビ走るんだろうなぁ。

見慣れたハズのPCXなのに、細部のアレンジで未来感が半端ではありません。1回の充電での走行可能距離は約40km、最高速度は60km/h以上と街乗りスクーターとしては十分な性能と言えるでしょう。最高出力5.7ps、最大トルクは18Nm。きっとスペック以上に、キビキビ走るんだろうなぁ。

これからの時代、誰もが「自由な移動の喜び」を享受し続けるためには、環境に対するストレスフリーにも積極的に取り組んでいかなければなりません。だからこそホンダにとって電動化とは、1日でも長くクルマやオートバイに乗る楽しさを引き延ばすことのできる必然的技術革新なのです。

乗り手の私たちもまた、そうした自動車メーカーの取り組みにより積極的に協力すべきなのでしょう。けれどなかなか思い切れないのはおそらく、やっぱりある種の「電動化=不便」という印象が拭えないから。そこのところのネガを解決してくれそうなのが、一昨年からグローバルでの実証実験が始まっているバッテリーシェアリングサービスへの取り組みです。

「Honda Meeting 2019」の特別展示コーナーには、ちょっと元気な印象の電動車椅子的な乗り物から、人気のスクーターをEV化した「PCX ELECTRIC」、さらには一人乗りのコミューターと二人乗りのアドベンチャービークルまで、多彩な電動パーソナルモビリティが楽しげに展示されていました。ただし注目すべきは、その動力源となるバッテリーパックがすべて共通化されていること。

画像: 電圧48Vのバッテリーパックを2個使用。シートの下に並んでいます。

電圧48Vのバッテリーパックを2個使用。シートの下に並んでいます。

片手で運ぶこともできる程度に軽量化されているので、着脱はとってもラク。しかも空になったバッテリーは、設置された充電ステーションで簡単に満充電のバッテリーと交換することができます。バッテリーの入れ替えに要する時間は、慣れてくればおそらく2〜3分程度で済むのではないでしょうか。給油するよりはるかに短い時間しかかかりません。

画像: こちらが実証実験に使われた充電ステーション。上下段それぞれに4本ずつが収納され、常時充電されています。

こちらが実証実験に使われた充電ステーション。上下段それぞれに4本ずつが収納され、常時充電されています。

充電のわずらわしさから解放されるなら……「PCX ELECTRIC、ちょっと乗ってみたいかも」と思ったのは本当のお話。都内でもほどなく、シェアリングサービスの実証実験が始まるといいます。PCXならデザイン的にもとても先進的でカッコいいし、本格的な電動モビリティを実体験するには、良い機会になるかもしれません。

マジで試してみようかな……。

2020年の国内デビューが待ち遠しい「Honda E」

画像: 期待のHonda e。電気モーターの最高出力は150ps、最大トルクは300Nmを発揮し、後輪を駆動します。わずか50cmという低重心に加え、50:50の前後重量配分を実現。絶対的速さだけでなく、コーナリングの楽しさで魅了してくれそうですね。最小回転半径は4.3mと、軽自動車並みの取り回しの良さ。シングルペダルでのコントロールも実現しています。

期待のHonda e。電気モーターの最高出力は150ps、最大トルクは300Nmを発揮し、後輪を駆動します。わずか50cmという低重心に加え、50:50の前後重量配分を実現。絶対的速さだけでなく、コーナリングの楽しさで魅了してくれそうですね。最小回転半径は4.3mと、軽自動車並みの取り回しの良さ。シングルペダルでのコントロールも実現しています。

他にも、「マジで試してみようかな」と思った先進技術がプレゼンされていた「Honda Meeting 2019」。免許返納が社会的風潮に変わりつつある中で、それでも一生「自由な移動の魅力を楽しみ続けたい」という願いに応えるべく、魅力的なプロダクツがこれからも次々にリリースされそうです。

画像: 充電する姿まで、ちょっとファッショナブルで可愛い。とくに女性には、ウケまくるのではないでしょうか。

充電する姿まで、ちょっとファッショナブルで可愛い。とくに女性には、ウケまくるのではないでしょうか。

たとえば「Honda e」は、その魁となる存在かもしれません。2020年、いよいよ日本でもリリースが始まる予定。ちょっと待ち遠しいかも!

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