みなさんは今日のホンダ製MotoGPバイクのご先祖さまと言える、1960年代までのRCレーサーをご存知でしょうか? 1950年代半ばから1960年代の時代、4ストローク専業メーカーだったホンダは、1959年から参戦したマン島TTなどの世界ロードレースGPに、やはり4ストロークのワークスマシンを投入していました。そんな初期RCレーサーに憧れる人は今日も多く、中にはその「モドキ」を作ってしまう人もいるのです!

※ 2015年のLawrence掲載記事を、再編集して掲載しております。

1960年代に黄金期を築いた初期のRCレーサー!

ホンダのRCレーサーは、グランプリ参戦初年度の1959年から活躍。参戦3年目の1961年には悲願のマン島TT優勝など大活躍し、125ccと250ccのメーカー・ライダーの両タイトルを獲得。そして1966年にはメーカータイトル5クラス制覇(50、125、250、350、500cc)という、GP史上に残る偉業を成し遂げました。

1961年に投入されたホンダRC162(空冷4ストロークDOHC4気筒250cc)は、日本人のGP初優勝(高橋国光・1961年西ドイツGP)時のマシンでもありました。。こちらの展示車両はゼッケン10ですが、もしかするとマイク・ヘイルウッドのマン島TT車でしょうかね?

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画像: 1967年マン島TT350ccクラス、ホンダRC174(空冷並列6気筒297cc)で勝利へ爆走するM.ヘイルウッド。この年のTTでヘイルウッドは250、500ccクラスも勝利し、自身2度目となるTTハットトリックを達成しました! "シックス"ことホンダRC6気筒は、RCシリーズのなかでも最も人気のあるモデルと言えるでしょう。 www.honda.co.jp

1967年マン島TT350ccクラス、ホンダRC174(空冷並列6気筒297cc)で勝利へ爆走するM.ヘイルウッド。この年のTTでヘイルウッドは250、500ccクラスも勝利し、自身2度目となるTTハットトリックを達成しました! "シックス"ことホンダRC6気筒は、RCシリーズのなかでも最も人気のあるモデルと言えるでしょう。

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「RC」という名前は今のMotoGPバイクにも使われていますが、その名前のルーツは半世紀以上前にさかのぼるわけです。初期のRCシリーズの傑作であるRC162に憧れる人は多いですが、ワークスマシンであるRC162を今手に入れるには、数千万円のお金を持っていることがオーナーになる人の最低条件となります・・・現実は常に冷徹なものですね・・・。

買えぬなら、作ってしまえ、RC162レプリカ?

・・・ということで、英国などでは栄光のRC162に憧れるあまり、レプリカを作ってしまう方がいらっしゃります。さすがにRC162の空冷エンジンを自作するのは大変なので、ホンダが1980年代から販売していたCBR250系水冷4気筒250ccを流用するという合理的な選択をしていますね。

画像: こちらのRC162レプリカは、英ティグクラフト製のレプリカフレームを使用。キャブレターには、ケーヒンFCRを装着しています。 lrnc.cc

こちらのRC162レプリカは、英ティグクラフト製のレプリカフレームを使用。キャブレターには、ケーヒンFCRを装着しています。

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ホンダRCレーサーの魅力は、その素晴らしい速さと「音」でしょう。1960年代はまだ、ロードレース用バイクに消音器装着が義務付けられていませんでした。高回転型の4ストロークマルチシリンダー車がメガフォンマフラーで奏でる甲高いエキゾーストノートは、「ホンダミュージック」と呼ばれ多くの人に愛され今日に至っています。観衆の拍手が、まるでオペラ歌手の歌唱後のそれのように思えてくる動画です。

画像: Mike Hailwoods Honda 250cc 4cylinder.wmv youtu.be

Mike Hailwoods Honda 250cc 4cylinder.wmv

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そしてこちらの動画は、2009年に英マロリーパークで撮影された「パレード」走行です。20台以上!のRC162レプリカが一斉に走り、CBR250系4気筒のメガホンサウンドを合唱している様は圧巻のひと言です・・・。これがもし全部本物のRC162なら、いったい何十億円・・・とか、いやらしい?考えは捨てて、純粋にこの音楽を楽しんでください(笑)。

画像: honda rc162 mallory 2009 on bike Part 1 youtu.be

honda rc162 mallory 2009 on bike Part 1

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