「モータースポーツ」と一口にいっても、その種類は多彩。興味はあるけど、たくさんありすぎて何を見ていいのかわからない……なんて人も結構多いのでは? ここでは各競技の特徴や見どころをわかりやすくお届け。今回はオートバイロードレースの最高峰『MotoGP』について解説していきます。

MotoGPとは?

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MotoGPとはロードレース世界選手権のことで、1949年から続く2輪ロードレースの世界最高峰です。現在MotoGPはエンジンの排気量別に「MotoGPクラス(1000㏄)」、「Moto2クラス(765㏄)」、「Moto3クラス(250㏄)」の3つのクラスに分かれており、それぞれのクラスでレースが行われます。

2020年シーズンは世界各国のサーキットで全20戦が開催され、各レースの順位に応じてポイントが与えられ、シリーズを通して最も多くポイントを獲得した“ライダー”、“チーム”、そして“コンストラクター”がチャンピオンとなります。

ライダーとは競技に出てバイクを運転する人、チームはライダーが所属するグループ、コンストラクターはバイクのメーカーです。それぞれに順位が定められチャンピオンが選ばれるのですが、世界一の称号が欲しいのはライダーもチームもメーカーも同じ。

参戦しているライダーには各レースの成績ごとにポイントが加算されていきますが、チームへは所属する2人のライダーが揃ってポイントを獲得していく必要があり、チームの総合力が求められます。

コンストラクターへのポイント加算はシンプルです。各コンストラクターでもっとも順位のよかったライダーの獲得ポイントがコンストラクターポイントとなります。メーカーとしては、世界一の称号は販売などマーケティング面でも大きなアピールになるため、まさに威信をかけた戦いと言っていいでしょう。

選手権に参戦するのは、我らがホンダをはじめ、ヤマハ、スズキの日本メーカー、オーストリアのKTM、イタリアのドゥカティとアプリリアです。これまではメーカー間でマシンに性能差がありましたが、近年はその差も少なくなっており、どのチームが勝つのか、誰がチャンピオンになるのか……フィニッシュラインまで繰り広げられる激アツなバトルは世界中のファンを熱狂させています。

参戦するライダー、チーム、メーカーにとってMotoGPでチャンピオンになることはこれ以上ない栄誉です。レースを見ると「誰がチャンピオンになるんだろう?」とライダーに目がいきがちですが、チームやメーカーによる争いも注目してみてください!

MotoGP(世界グランプリ)とホンダ

画像: 1959年WGP開幕戦マン島TTレース(ライトウェイト)に参戦したRC142(手前)と2012年から現在までMotoGPクラスに参戦しているRC213V(奥) www.honda.co.jp

1959年WGP開幕戦マン島TTレース(ライトウェイト)に参戦したRC142(手前)と2012年から現在までMotoGPクラスに参戦しているRC213V(奥)

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世界グランプリ(現MotoGP)とホンダの歴史は1959年まで遡ります。創業者の本田宗一郎氏にはレース経験があることから、レースに参戦することの重要性に気づいていました。

49年に全日本モーターサイクル選手権大会に出場し、53年には名古屋T.T.、富士登山レースなどにも出場。54年にはサンパウロ市政400周年記念に出場します。これは国内2輪メーカーとしては初の国際レース出場であり、見事13位完走を果たしました。

しかし海外勢との実力差を思い知らされた本田氏は同年、世界グランプリの中でもっとも権威あるマン島TTレースに出場することを宣言します。そして5年後の59年には宣言通り、日本の2輪メーカーとしてはじめてマン島TTレースに参戦することになるのです。

ホンダの初優勝は61年のスペインGPのGP125クラス。同年にはチャンピオンにも輝き、67年まで参戦。休止期間を経て79年から再び世界グランプリに復帰し、現在まで各時代を彩った名ライダーと共に数多くの勝利を飾ってきました。

2019年シーズン終了時にはGP通算795勝という勝利数を積み重ね、前人未到の800勝まであと5と迫っています。

ホンダはMotoGPクラス目下4連覇中!!

画像: 2019年MotoGPクラスで6度目のチャンピオンを決めたM.マルケス www.honda.co.jp

2019年MotoGPクラスで6度目のチャンピオンを決めたM.マルケス

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莫大な時間と多くの人間の努力により2015年にはGP通算700勝という大記録を打ち立てたホンダですが、現在もライダーズ、コンストラクターズの両タイトルを4連覇中と強さを見せつけています。この4連覇を達成したのが若くしてMotoGP界の頂点に立つホンダのエース、マルク・マルケス選手。

2013年に最高峰クラスにデビューしたマルケス選手はデビューイヤーでいきなり世界王者に上り詰め、2015年を除くすべてのシーズンでチャンピオン獲得と無類の強さを誇ります。

27歳にしてキャリア通算8度目のチャンピオンに輝き、2019年は1度のリタイアを除き全レースで2位以内にゴールするというほぼ完璧な結果を残し、年間最多獲得ポイントも前人未到の400ポイント越え(420ポイント)を達成しました。

画像: 2019年は4戦を残しチャンピオンを決めたM.マルケス。同シーズンはシーズン最多獲得ポイント(420pt)記録を更新した。 www.honda.co.jp

2019年は4戦を残しチャンピオンを決めたM.マルケス。同シーズンはシーズン最多獲得ポイント(420pt)記録を更新した。

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2020年シーズンもホンダから目が離せません!

ホンダのワークスチーム(ホンダ直営のチームのこと)であるRepsol Honda Teamにマルケス選手のチームメイトとして加入したのが弟のアレックス・マルケス選手。アレックス選手は2019年に、MotoGPの下のカテゴリーにあたるMoto2クラスで年間王者を獲得。もう1年Moto2に残ることになっていましたが、Repsol Hondaに所属していたホルヘ・ロレンソ選手の電撃引退によりホンダのワークスチームへの抜擢となりました。

いきなり活躍を見せた兄とは違い、時間をかけてマシンに適応していくスタイルのアレックス選手。シーズン後半には仁義なき兄弟バトルが見られるかもしれませんね。

画像: Repsol Honda Teamでチームメイトになる兄のマルク選手(左)と弟のアレックス選手(右)のマルケス兄弟。2人合わせて10度世界王者に輝いた最強の兄弟は今年どんなレースを見せてくれるのか!? www.honda.co.jp

Repsol Honda Teamでチームメイトになる兄のマルク選手(左)と弟のアレックス選手(右)のマルケス兄弟。2人合わせて10度世界王者に輝いた最強の兄弟は今年どんなレースを見せてくれるのか!?

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そしてもうひとつのホンダチームであるLCR Hondaにも注目です!LCR Hondaとは、世界グランプリで活躍したルーチョ・チェッキネロ氏によって設立されたプライベーターチーム。プライベーターチームとは2輪メーカーではない企業が運営するレーシングチームのことで、LCRはホンダから支援を得ており、ホンダからマシンを支給されています。

2020年シーズンも昨年同様カル・クラッチロー選手と中上貴晶選手の布陣で挑みます。LCR Hondaで6年目のシーズンとなるクラッチロー選手は毎年各メーカーのワークスチーム相手に白熱した戦いを繰り広げ、レースを盛り上げてくれるトップライダーの1人。マレーシアのセパンサーキットで行われたプレシーズンテストでも3日間しっかり走り込み、タイムも総合2位となる好タイムを記録しています。

画像: セパンで行われたプレシーズンテストで精力的にプログラムをこなしたカル・クラッチロー選手。 www.honda.co.jp

セパンで行われたプレシーズンテストで精力的にプログラムをこなしたカル・クラッチロー選手。

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そのクラッチロー選手のチームメイトである中上選手は最高峰クラス3年目。2019年は各メーカーのワークスチームがひしめき合う中、前半戦から常にシングルフィニッシュを続け、とくに第6戦イタリアGPでは自己最高となる5位フィニッシュと自身のポテンシャルの高さを見せつけました。

しかし第8戦オランダGPで他車の転倒に巻き込まれ右肩を負傷、手術のため終盤3戦を欠場。プレシーズンテストでは約4カ月ぶりの走行となりましたが、痛みが残っており痛み止めを服用しながらのテストとなりました。

世界の超一流ライダーばかり集まるMotoGPで10位以内で走れることは実証済み。本人の目標は初表彰台で、開幕戦までには万全のコンディションに持っていくと力強くコメントしています。

画像: セパンテストでは万全の状態ではなかった中上選手。シーズンの流れを大きく左右する開幕戦に100%まで状態を戻したいところだ。 twitter.com

セパンテストでは万全の状態ではなかった中上選手。シーズンの流れを大きく左右する開幕戦に100%まで状態を戻したいところだ。

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まとめ

今回は世界最高峰のバイクレース「MotoGP」を紹介しました。世界最高のライダー、チーム、マシンを決める過酷な世界でホンダは多くの優勝、チャンピオンの称号を勝ち取ってきました。上述のとおりホンダはGP通算800勝まであと5に迫っており、2020年は大偉業達成の瞬間を目の当たりにするシーズンになることでしょう。誰が達成するのかにも注目ですね!

今年も強力な布陣で戦うホンダ陣営、4人のホンダライダーの活躍に期待しましょう!

ホンダ公式のモータースポーツページもチェック!

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