ホンダのM・M思想を具現化し、2001年にデビューした初代フィットは、広い室内や多彩なシートアレンジ、高いレベルの環境性能の実現などが市場に受け入れられ大ヒットモデルとなった。そして2007年に2代目、2013年に3代目が登場し、累計販売台数も269万台を超えている。そんなホンダの最重要モデルの4代目が登場した。今回は、新型フィットの開発を指揮した開発責任者の話を交えつつその魅力に迫りたい。(撮影:宮門秀行)

4代目ホンダ フィットの開発テーマとは?

画像: フィット HOME(FF)

フィット HOME(FF)

ホンダフィットの開発責任者は田中健樹氏である。実は田中さん、10年以上もフィットだけに携わる、ホンダの中でもフィットスペシャリストだと言っていい。そんなフィットの強味も弱点も知る人が開発を指揮するのだから、4代目フィットは、当然いいクルマに仕上がっている。

田中さんは、4代目フィットのLPL(=ラージプロジェクトリーダー/ホンダでは開発責任者をこう呼ぶ)になったときに、初代、2代目、3代目と歴代フィット、いやその前身デルとなるロゴも含め4世代を並べてみたという。

田中健樹 株式会社 本田技術研究所 オートモービスセンター 商品企画室 LPL 主任研究員

そこで改めて認識したのは、歴代フィットの開発テーマだという。初代モデルはそれまでのコンパクトカーがあきらめてきたニーズに応えたモデルだった。それはデザインと広い室内である。そして2代目と3代目は機能、燃費を突き詰めた開発がなされていた。

では4代目はどうするか、と考え行き着いたのが「ユーザーの潜在的なニーズに応えているのか」ということだ。今のコンパクトカーのユーザーがあきらめていたことはないのか、それがあるならばフィットで実現しようと思ったということである。

人が「心地いい」と感じることを、とことん追求する

具体的には、今のコンパクトカーがユーザーのニーズに応え切れていない「快適性」、「安心感」、「リラックス」を新型フィットではやる、と決めたのだという。そして「心地よさ」を新たなフィットの価値として研究したのだ。今までのフィットが持っている機能を土台として、人が五感で感じるところの研究である。

人が「心地いい」と感じるのはどういったところなのか、開発の最初の段階では数値に置き換えて開発していたのだが、最終的には人が判断したのだという。

画像: 目指したのは、実際に座ったときに感じる広さと安心感

目指したのは、実際に座ったときに感じる広さと安心感

具体的には視界でありシートなどである。たとえば、とにかく室内が広いだけで人は心地よく感じるわけではなく、ある程度の守られ感も必要である、ということ。

これまでの開発では数値目標を目安にしていた部分もあったが、新型フィットはそれに加え、人が使ったときの“感覚”も視野に入れた。実際に座ったり使ったりして、誰もが「心地いい」と感じるつくりを目指したというわけだ。これはとにかくいろんな人にシートに座ってもらったそう。

新型フィットには5モデルのバリエーションがあるが、それはクルマに詳しくない人のためへの提案なのだとか。「ライフスタイルやファッションに合ったグレードを好みで選べるようにしたグレード。お客様には直感や好みで選んで欲しい」と田中さん。

シンプルさが魅力の「BASIC(ベーシック)」、毎日の生活に馴染むデザインの「HOME(ホーム)」、アクティブな人向けの「NESS(ネス)」、ドライブにアウトドアに、毎週末出かけたくなる「CROSSTAR(クロスター)」、そしてダウンサイザーも満足できるようにした「リュクス」。リュクスは身体に触れるところは本革にするなど高級感をもたせている。

余談だが、ネスはフィット+ネス=フィットネス。洒落も効いている。

いかにもホンダらしい 充実の安全運転支援システムを標準装備

画像: フィット e:HEV NESS(FF)。心地よい走りが自慢

フィット e:HEV NESS(FF)。心地よい走りが自慢

そして走りも「心地よさ」を実現している。日常域、常用域の心地よさを実現するため、あえてソフトな方向の乗り心地にしている。だからといって柔らかいだけのフワフワとした頼りなさはまったくない。この「心地いい走り」を実現するために、サスペンションの取り付け部を強化して足を動かす方向で開発したということだ。

高速道路での操縦安定性やホンダセンシングの進化も、安心・安全に繋がるポイントだ。とくにホンダセンシングは違和感のないものに進化している。

画像: 車体各部に設置されたセンサーがドライバーの安心・安全を守ってくれる

車体各部に設置されたセンサーがドライバーの安心・安全を守ってくれる

検知方法は、「フロントワイドビューカメラ」、「前方ソナーセンサー」、「後方ソナーセンサ−」の3つである。これらの連携により、

  • ぶつからないため「衝突軽減ブレーキ」「近距離衝突軽減ブレーキ」
  • 飛び出さない「誤発進抑制機能」
  • 不意の後退を防ぐために「後方誤発進抑制機能」
  • 歩行者に配慮した「歩行者事故低減ステアリング」
  • はみ出さないために「路外逸脱抑制機能」
  • 適切な車間距離を保つために「渋滞時追従機能付アダプティブクルーズコントロール」
  • ふらつかないために「車線維持支援システム」
  • 発進をお知らせする「先行車発進お知らせ機能」
  • 見逃さないために「標識認識機能」
  • 良好な視界のやめに「オートハイビーム」

などが全グレードに標準装備されているのである。コンパクトカーでこれほど安全運転支援システムは充実していて、さらにそれが標準装備されているのは、いかにもホンダらしいところだ。

画像: e:HEV BASICはWLTCモードで燃料消費率29.4km/Lを実現。※装着するオプションなどにより異なる場合もある

e:HEV BASICはWLTCモードで燃料消費率29.4km/Lを実現。※装着するオプションなどにより異なる場合もある

新型フィットでは2モーターのハイブリッドシステムを採用したのもトピックスである。このハイブリッドモデルは「e:HEV(イーエイチイーブイ)」と呼ばれ日常域ではモーターで走行できる。組み合わされるエンジンは、1.3L。実はコレ、フィット専用なのである。

そしてなによりこのe:HEVは、2個のモーターを搭載してるのが特徴だ。上級モデルのホンダインサイトと同じ2モーターだが、フィット用にハイブリッドシステムを小型化して搭載している。従来は1モーターだったので数だけ見ても倍になったわけだが、力強い走行フィールや高い環境性能などそのメリットはモーターの数以上に大きいと言える。

このe:HEVは、相当魅力的なクルマに仕上がっていると言えるだろう。ぜひ、一度新型フィットへの試乗をお勧めする。

主要諸元
ホンダ フィット ホーム
全長×全幅×全高 3995×1695×1515mm
ホイールベース 2530mm
車両重量 1090kg
エンジン 直4DOHC
総排気量 1317cc
最高出力 72kW(98ps)/6000rpm
最大トルク 118Nm(12.0kgm)/5000rpm
トランスミッション CVT
駆動方式 FF
燃料・タンク容量 レギュラー・40L
WLTCモード燃費 20.2km/L
タイヤサイズ 185/60R15
車両価格 1,718,200円

This article is a sponsored article by
''.